オランダの祭典「ダッチ・デザイン・ウィーク2024」を取材!家具や会場の様子もお届け
オランダのアイントホーフェンでは、北ヨーロッパのデザインの祭典「ダッチ・デザイン・ウィーク」が開催されています。2024年の開催日は、10月19〜27日の9日間です。
ヨーロッパ家具のデザイン調査として、RASIKのスタッフが「ダッチ・デザイン・ウィーク2024」を取材してきました。イベントのテーマや会場の様子、注目のインテリアコレクションを紹介します!
2023年にRASIKを運営する株式会社もしもへ入社後、『RASIK LIFE』編集長に就任。自身が持つ不眠症の悩みをきっかけに、寝具について学ぶ。睡眠検定3級。商品の企画・生産・品質管理・販売までを一貫しておこなっている会社の特徴を活かし、実際に商品をチェックしながら記事を作成。フォロワー数24万人超えのRASIK公式インスタグラムでは、商品のレイアウトなども公開中。
公式:インスタグラム
二級建築士・インテリアコーディネーター・カラーコーディネーター資格を保有。2024年よりRASIK LIFE編集部に所属し、ライターとして家具やインテリアに関する記事執筆を担当。インテリアコーディネーターとして、コーディネートのアドバイスもおこなう。趣味は北欧家具やインテリアショップ巡り。
ダッチ・デザイン・ウィーク(Dutch Design Week)とはどんなイベント?
ダッチ・デザイン・ウィークは、オランダでおこなわれるデザインの祭典です。市内各地の100を超える会場では最先端のデザインの展示やトークショーなどがおこなわれます。斬新なアイデアを求めて世界中から多くの人が集まるのが特徴です。
参加するのは業界の老舗ブランドから若手デザイナーまで多岐にわたり、オランダらしいサーキュラルエコノミーが取り入れられているのもポイント。イノベーションにも重きをおくイベントで、社会問題をクリエイティブな発想で提示しているのも見どころです。
ダッチ・デザイン・ウィークのテーマは「Real Unreal」
2024年で26回目を迎えるダッチ・デザイン・ウィークのテーマは「REAL・UNREAL」。現代が織りなす現実や問題に対して、どのように乗り越えていくか考えることをイベントポリシーとして掲げています。
各地で起こるさまざまな環境問題をデザインを通して考え、受け入れやすくすることを探求したデザイナーたちの作品を楽しめるのが2024年のポイント。
多様な視点がどのようにしてデザインと交わるのか作品を通して楽しみ、これからの未来を見つめ直す機会にもなるイベントです。
ダッチ・デザイン・ウィークはアイントホーフェンで開催
ダッチ・デザイン・ウィークがおこなわれるのは、オランダの第5の都市、アイントホーフェンです。オランダの地図を開くと左下に位置する小さな都市で、ベルギーやドイツからもアクセスできます。
首都・アムステルダムからアイントホーフェンまでは、電車で約1時間半でアクセス可能。電車の乗り換えも1回のみなので、オランダの地理がわからない人でも足を運びやすいです。
アイントホーフェンの街一帯がダッチ・デザイン・ウィークの会場
ダッチ・デザイン・ウィークの会場は、アイントホーフェンの街一帯です。街の至るところに地図を配布するスタッフがいるので、地図片手に散策しながら回れます。
またダッチ・デザイン・ウィークは、専用アプリも展開。行きたい会場をチェックリストに追加でき、AIを駆使して効率よく回るルートも提示してくれます。地図とアプリを照らし合わせながら回れるので、街一帯が会場でも迷うことなく行きたい場所にたどり着けるでしょう。
ダッチ・デザイン・ウィークはリストバンドがチケット代わり
オンラインで購入したQRコードは、現地でリストバンドと交換します。各会場では、手首に付けたリストバンドを見せて入場。また1度購入すると、期間内であればいつでも会場に足を運ぶことが可能です。
チケット売り場のそばには、観光客でも借りられるシェア自転車が置いてあります。会場から会場までの距離があるので、自転車を利用して会場を回るのもおすすめです。
8つに分かれたダッチ・デザイン・ウィークのエリア
ダッチ・デザイン・ウィークのエリアは、全部で8つに分かれています。地図には会場同士の距離も丁寧に記載されているので、距離感が掴みやすいので便利です。
会場内は、無料で入れるブースとリストバンドの提示が必要なブースに分かれています。エリア丸ごとリストバンドが必要なケースもあるため、チケット売り場もエリアごとに点在。会場に着いたあとでもチケットを購入できます。
エコを取り入れたインテリアデザイン!
ダッチ・デザイン・ウィークに参加するインテリアは、北ヨーロッパで展開するブランドが中心です。オランダをはじめ、デンマークやスウェーデン、ノルウェー、ドイツなどデザイン性の高い北欧家具がそろいます。
サーキュラーエコノミーなインテリア
今回のダッチ・デザイン・ウィークで目立ったのは、廃棄物を利用したインテリア。スポンジを再利用してつくられたソファは、非常にソフトで体が浮いているような感覚を体験できます。
ソファをよく見てみると複数のスポンジの破片が固めてあり、柄に見えるデザインも魅力です。廃棄物を生み出さず、循環的な利用を図るサーキュラーエコノミーな考えが組み込まれています。
また別の会場では、余った木材を使ったインテリアブースもありました。カットして余った木材でつくるインテリアは木目や木の風合いに味があり、自然な温もりを感じられます。
さらに同会場では、余った木材をさらに細かくカットしてつくったミニチュア版の工房も展示。会場に訪れる人たちの目を引く作品です。
会場の外には王様が座るような座面の高い椅子のオブジェも展示。子どもたちが順に座って楽しむ様子も見受けられました。
北欧らしい木の温もりを感じるインテリア
会場に並ぶインテリアは、木を使ったインテリアも多い印象です。さまざまな色をした木の切れ端を組み合わせた椅子は、ひとつとして同じものはなくインテリアのアクセントにもなります。
また複数の木を重ねてつくられたテーブルは、座る位置によってインテリアの見え方が異なるのも魅力です。
さらに会場によっては、実際にデザイナーが作品を手がける様子も見られました。会場ごとにざまざまな演出をしているため、イベントとしても楽しめます。
斬新な素材を使ったインテリアも見られる
こちらの椅子は、消防車のホースを使って制作されています。異なる色味のホースを編み込んだエコな作品です。しっかりとした作りなので、座り心地も良好。クリエイティブな発想のインテリアも楽しめます。
また、子どもが使わなくなった積み木を利用した椅子もありました。カラフルな積み木がアクセントとなり、おもちゃから実用的な椅子に生まれ変わっています。発想の転換をうまく利用したインテリアも多く、見ているだけで創造力が掻き立てられるでしょう。
▼ダッチ・デザイン・ウィークの商品分析について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせて読んでみてください。
若手デザイナーによる作品も展示
ダッチ・デザイン・ウィークでは、ベテランのデザイナーによる作品だけでなく若手デザイナーによる作品展示もおこなわれています。
各ブースには実際にデザイナー本人が在廊しているため、作品のコンセプトや素材、つくり方などを聞くことが可能。
またオランダにあるデザイン学校の生徒が集まる会場もあり、若手の発想を体験できるのもイベントの魅力です。
サーキュラーエコノミーをクリエイティブに学ぶブースも設置
会場のなかには、サーキュラーエコノミーをテーマにしたエリアもありました。ヨーロッパではエコやサスティナブルに関する関心が高く、持続可能な社会を目指す取り組みを推進しています。
絵や模型を使って説明されており、翻訳アプリを使いながら内容を理解することが可能です。インテリアデザインだけでなく、社会問題をクリエイティブな発想で身近に感じられます。
まとめ
「ダッチ・デザイン・ウィーク」では、オランダを中心とした北ヨーロッパの取り組みやクリエイティブな発想を取り入れたインテリアの数々をチェックすることができました。RASIK LIFEでは、今後もヨーロッパをメインにさまざまな取材レポートをお届けします!
家具の最新トレンドやインテリアコーディネートの参考になる情報も発信するので、ぜひチェックしてみてくださいね。