コンテンツへスキップ

カート

カートに何も入っていません

インテリア業界に飛び込んで見つけた「楽しさ」|専門学校 大阪デザイナー・アカデミー 松本 農先生にインタビュー!

インテリア業界に飛び込んで見つけた「楽しさ」|専門学校 大阪デザイナー・アカデミー 松本 農先生にインタビュー!
2025年3月27日

将来インテリア業界に入りたいと考えていても、家具に対する興味だけで進路を決めるべきか不安かもしれません。インテリアにおけるデザインとコーディネートの違いが分からず、何を学ぶべきか悩んでいる人もいるでしょう。

今回は、ファッション業界からインテリア業界に転身し、現在は専門学校 大阪デザイナー・アカデミーで学科担任として学生を指導されている松本 農(まつもと つとむ)先生にお話を伺いました。

目次

監修者
『RASIK LIFE』編集長
工藤 智也

2023年にRASIKを運営する株式会社もしもへ入社後、『RASIK LIFE』編集長に就任。自身が持つ不眠症の悩みをきっかけに、寝具について学ぶ。睡眠検定3級。商品の企画・生産・品質管理・販売までを一貫しておこなっている会社の特徴を活かし、実際に商品をチェックしながら記事を作成。フォロワー数50万人超えのRASIK公式インスタグラムでは、商品のレイアウトなども公開中。公式YouTubeにて、くらしに役立つ情報も配信中。
公式:YouTube
公式:インスタグラム

ファッション業界からインテリア業界へ

インテリア業界に入るきっかけについて話す松本さんの写真

―本日はよろしくお願いいたします。まずは、インテリアに興味を持たれたきっかけを教えてください。

松本 農さん(以下、松本):もともとは私自身が洋服畑で育ってきたこともあり、海外留学を交えながらファッションデザインを学んでいました。大学を卒業してブランドを持つ際に、インスタレーションという「空間そのものを自分のブランドとして扱う」発表形式を活用していたんです。なかでも私がやった仕掛けは、服をアクセサリーのようにみせるやり方でした。人物画に服をかけたり、ハンガーをかけた壁面に映像作品を流したりする手法ですね。このインスタレーションを活用していくなかで、いつの間にか空間デザインそのものに魅力を感じていったんです。

その後は自分のブランドを運営しながら洋服の専門学校で教員を勤めていたのですが、ご縁があり大阪デザイナー・アカデミーで働くことになりました。その際、インテリアに関係する授業も担当してほしいと依頼されたのが、本格的にインテリア業界へ足を踏み入れるきっかけです。

また、インテリアデザイン学科、インテリアコーディネート学科のカリキュラムに実際に触れてみると、自分が取り組んできたファッションの仕事が、ディスプレイやコーディネートなどインテリアと密接な関係を持っていることに気づきました。畑は違いますが異なるデザインを学んできた者として、インテリアの本質を大事にしたうえで違う角度からも学生にアドバイスできるんじゃないかと考えたんです。それが、いまの指導にも繋がっていますね。現在は両学科の担任として、講師とともに学生の育成に携わっています。

生徒と一緒に考えることを大切にしたい

課題に取り組む生徒にアドバイスする松本さんの写真

―ファッション業界からインテリア業界へ進んだ際に苦労したことはありますか?

松本:CADは1からの勉強だったので、自分に関係のない授業でも率先して関わり、知識を深めていきました。いまでも学生と一緒に学び、考えるイメージを大切にしていますね。また、私はクリエイティブな要素は学生と一緒に考えることが大切だと考えています。講師からの一方的な指導で学生がやりたいことを潰してしまうのは、あまり良くないと思うんです

担任として多方面からのアドバイスを心がけ、さまざまな意見を学生がどう昇華していくのかを見守っています。知識と技術を先生方が教え、私が担任として学生と対話し、一緒に考えることで学生を育てていきたいですね。

「技術を扱うための力」を養うカリキュラム

インテリアデザイン学科とインテリアコーディネート学科の写真

―ご担当授業ではどのようなことを指導されていますか?

松本:当校はインテリアデザイン学科、インテリアコーディネート学科ともに、基礎技術の習得と学生個々のクリエイティビティ育成を重視しています。

最近はデジタル3DやAI技術を活用し、さまざまな表現ができる時代です。一方で、技術を使うための言語化能力や表現を伝える力を高めるには、アナログでの作業が必要だと考えています。そこで、1年次はあえて手描きの製図、スケッチパース、ビジネスマナーなどをカリキュラムに入れ、学生の基礎技術を高めるようにしています。

社会に出るとやれることに制限がかかってしまいますよね。そこで、学生のうちにできることに挑戦してもらうため、「思考のリミッター」を外すような指導を心がけています。

たとえば昨年実施した店舗設計の課題では「店舗にこだわりすぎなくていい」と伝えた結果、保育園や団地をリノベーションした店舗など、社会的問題をふまえた作品を提出してくれた学生もいました。

パソコンを用いた授業では、どうしても柔軟な思考がしにくい傾向にあります。立体模型のような実物を扱う授業では自由な部分を増やし、「技術を扱う力」を高めてあげたいと考えています。

学科選びに悩む人に向けた「入学前授業」

教室で入学前授業について話す松本さんの写真

―「インテリアデザイン学科」と「インテリアコーディネート学科」の違いを教えてください。

松本:インテリアデザイン学科はリノベーションやコンバージョンなどの設計を主体に学んでいきます。一方、インテリアコーディネート学科は床壁や天井に使われる素材のように、空間づくりの知識を深めていきます。

最近ではインテリアコーディネート学科は業界の変化をふまえ、舞台美術やドラマの美術製作などをカリキュラムに取り入れ、インテリアスタイリストを目指す学生もサポートしています。

また、学科の違いを伝えるために、入学前授業も実施しているのも当校の特徴です。入学を検討している人を対象に、月1回、7ヶ月にわたりデザインや設計の授業を実施します。

「家具や模様替えが好きだから」といった漠然とした理由でインテリアを学びたいと考える高校生が多いですが、もしインテリアについて悩んでいるなら将来やりたいことを明確にするきっかけとしても、入学前授業を活用してもらえると嬉しいです

情報収集で理想のインテリアを明確にする

インテリアについて話す松本さんの写真

―インテリアを買う際にこだわるポイントはありますか?

松本:部屋のイメージにマッチしているか、使い心地はいいのかなどを考え購入しています。北欧テイストの家具が好きなのですが、最近は統一感を持たせるだけではなく、少しテイストの違うインテリアを置いて、ちょっとしたアクセントを取り入れるよう意識しています。

あとは、SNSで家具やコーディネートの情報を集めるのが趣味になっていますね。自分がどのような部屋を作りたいか、どのような家具を置きたいかを明確にするには、情報収集が一番の近道だと考えています。できることなら学生にも自分でさまざまなことを調べる習慣をつけてほしいですね(笑)。

コーディネートページは部屋のイメージにも役立つ

RASIKの家具を使ったコーディネート写真

―RASIKの第一印象を教えてください。

松本:将来自宅をフルリノベーションしようと考えているのですが、その際にぜひ買い替えたいなと考えながらサイトを見ていました。

個人的には、コーディネートページが非常に分かりやすいなと思います。

インテリアをうまくイメージできない人も、コーディネートページを見本にすればイメージに近づけやすいのではないでしょうか。色味やテイストをテーマにした部屋など、幅広いコーディネートが用意されている点もいいなと思いますね。

楽しさは飛び込むことで見つかる

生徒と松本さんの集合写真

―最後に、インテリア業界で働きたいと考えている人へのメッセージをお願いします。

松本:好きならばはじめるべきだと思う一方で、入学してから自分の好きを見つけてもらってもいいかなと考えています。「楽しさは飛び込んでみることで見つかる」と思っているんです。家具や空間づくりに興味が少しでもあれば、まずは試しに当校を見学して、家具や空間づくりについて話してみてほしいですね

当校はあくまで選択肢のひとつと捉えてもらうくらいの気軽さで来てもらえたらなと思います。私は「見学したから入学してください」とは絶対に言いたくありません。さまざまな可能性を検討した結果、もし入学して一緒に学んでもらえるなら、ぜひ私とクラスの皆で一緒に成長していってもらえたらなと思っています。

―素敵なメッセージをありがとうございます。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。

専門学校 大阪デザイナー・アカデミー インテリアデザイン学科・インテリアコーディネート学科 松本 農先生】
大阪府堺市出身。20歳からファッションを学ぶために専門学校へ入学。留学先のフランスで出会ったデザイナーの元でアシスタントを務めた後、日本に帰国し洋服のブランドをスタートさせる。
インスタレーションや展示会、ポップアップでの発表など、デザインに幅広く関わってきた経験を活かし、現在は大阪デザイナー・アカデミーのインテリアデザイン/インテリアコーディネート学科の学科長として勤務。