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快適な空間づくりのコツとは?専門学校東京テクニカルカレッジ インテリア科 高山 寿一郎先生にインタビュー!

快適な空間づくりのコツとは?専門学校東京テクニカルカレッジ インテリア科 高山 寿一郎先生にインタビュー!
2025年3月13日

新しい家具を買おうとした際に、どのような基準で家具を選べばいいか悩んでしまう人もいるでしょう。買った家具をどのように配置すべきか分からない人もいるかもしれません。

今回は、建築の専門家としてインテリア科の学生を指導する専門学校東京テクニカルカレッジの高山 寿一郎(たかやま じゅいちろう)先生にお話を伺いました。

※お名前の「高」は(はしごだか)が正式表記

目次

監修者
『RASIK LIFE』編集長
工藤 智也

2023年にRASIKを運営する株式会社もしもへ入社後、『RASIK LIFE』編集長に就任。自身が持つ不眠症の悩みをきっかけに、寝具について学ぶ。睡眠検定3級。商品の企画・生産・品質管理・販売までを一貫しておこなっている会社の特徴を活かし、実際に商品をチェックしながら記事を作成。フォロワー数50万人超えのRASIK公式インスタグラムでは、商品のレイアウトなども公開中。
公式:インスタグラム

あらためてインテリアを学ぶなかで感じた「面白さ」

生徒の課題の前で話す高山さんの写真

―本日はよろしくお願いいたします。まずは、インテリアを学ぶきっかけを教えてください。

高山 寿一郎さん(以下、高山):実は、私はもともと建築業界で仕事をしていました。父が土木の仕事をしており、家で図面を引く姿に憧れて東京テクニカルカレッジに入学し、3年間建築を学びました。卒業後は設計事務所で仕事をしていたのですが、学生時代にお世話になっていた先生から「母校で授業のアシスタントをやりませんか」と声をかけていただいたのが、東京テクニカルカレッジで働くきっかけです。

当初は建築科を担当していたのですが、ある年からインテリア科に担当学科が移ったことをきっかけに、インテリアコーディネーターの資格を取得しました。社会に出てから資格を取るのは大変でしたが、あらためて勉強することで暮らしにおけるインテリアの重要性や面白さに気づくことができました。授業でもインテリアのスタイルやテイストについて話しますが、各テイストの色味やデザインの違いを見るたびに、インテリアの奥深さを実感しています。

住宅全体を考えるためのカリキュラム

生徒の発表資料を手にカリキュラムについて話す高山さんの写真

―担当授業ではどのような指導をされていますか?

高山:インテリアの仕事をする際、リフォーム・リノベーションに携わることになれば建築の知識も必要となります。インテリアに関する知識だけでは、社会に出たとき仕事の幅が狭まってしまうのです。そこで、当校では建築とインテリアの2本柱でカリキュラムを組んでいます

インテリアエレメント(家具・カーテン・壁紙など空間を構成する要素)に関する授業に加えて、CADという図面を描くソフトの使い方を教えたり、建築設計製図、測量実習や構造力学の授業も実施したりしています。さらに1年目の年度末である3月には、家具や照明、壁紙の素材など住宅全体の内装を考えた課題を学生に作成・発表してもらっています。インテリア科が目指すインテリアコーディネーター資格、色彩検定、福祉住環境コーディネーターだけでなく、卒業後には二級建築士の資格も目指すことができます。

そのほかにも住宅全体を考えられるように、インテリアエレメントの授業ではトイレ・バスルーム・洗面所といった水回り空間で使用される設備機器やリビング・ダイニング・キッチン・ベッドルームのつくり方に関しても勉強するのが特徴です。さらに実物を見ながら勉強する機会として、企業やショールームで授業をおこなう校外学習も積極的に実施しています。

また、将来建築、インテリア業界で働きたいなら、資格を取るための机上の勉強だけでなく、内装材などを見て触れる機会も重要です。そのため私は、実物に触れることのできる校外学習はとても貴重な機会だと考えており、学生たちが校外学習で真剣にメモしているのを見ると「その考えが伝わっているのかな」と嬉しくなりますね。

快適な部屋づくりのために意識すべきこと

生徒の作成した模型を手に取る高山さんの写真

―高山さんが考える「快適な住環境」とはどのような空間でしょうか。

高山:「他人の部屋をまねた空間」は居心地が悪いですよね。自分の好きなものに囲まれる空間は生活しやすいですし、居心地もよくなると考えています。また、見た目だけではなく、機能性も重要です。不便な家具は生活に影響を与えてしまうので「どのように使うか」を考えながら家具を選ぶべきだと考えています

また、授業では「最初に部屋のサイズをしっかりと把握し、その部屋の使用目的・テイスト・空間や身体の大きさにあったサイズを確認して家具を選びましょう」と伝えています。狭い部屋に大きな家具を置いても、床面積が狭くなって使いにくい部屋になってしまいますから。

新生活は「飽きない家具」を選ぶのがおすすめ

生徒の作成した模型を見ながら話す高山さんの写真

―新生活で新しく家具を買う人へのアドバイスをお願いします。

高山:家具を選ぶ際のポイントはさまざまですが、自分の好きな色、デザインに注目して「飽きない家具」を選ぶと長く使えると思います。あとは、買うときにしっかり吟味することでしょうか。多くの家具を買ってしまうと部屋が狭くなってしまいますからね。

私自身でいうと先日買った椅子は、使っていなくてもインテリアとして成立するデザイン性が購入の決め手でした。たとえばダイニングにペンダントライトを選ぶ場合、食事しない時間でも視界に入ってきますよね。シーリングライトやダウンライトと違い目立つものですから、インテリアの一部として使えるものがいいのではないでしょうか。

またデザインで選ぶ際は、「適正なデザイン」であるかが大切だと考えています。奇抜な色やかたちの家具は、使い続けると飽きが来てしまうかもしれません。学生たちには、部屋のテイストやサイズにあわせた適切なコーディネートを意識しましょうと話しています。

購入した家具を配置する際の注意点としては、家具の高さや配置場所が挙げられます。家具には適正な寸法や配置場所が存在していて、それを意識することが快適な空間づくりにつながります。たとえばベッドで寝たときに、天井を見ると照明の光源が見えてしまうような配置は避けるべきでしょう。

RASIKの商品で部屋づくりが完結できると嬉しい

RASIKの家具でトータルコーディネートを行った部屋の写真

―RASIKは取材以前からご存じでしたか?

高山:学生たちの計画案で実際に学生寮の寮室をつくるという授業「RJP(※)」のなかで、インテリア計画をしているのですが、学生たちが提出する見積書のなかにRASIKの家具が入っていたのです。ひとつは、ベッド下に収納がついている商品が活用されていましたね。

学生寮のようにスペースが限られる部屋では収納付きベッドが重宝されます。RASIKではさまざまなデザインの収納付きベッドが展開されていて、部屋のテイストにあわせた商品を選べるのが魅力だと感じました。

サイトを拝見するなかで、さまざまなジャンルの商品を購入できるようになり、RASIKだけで部屋づくりが完結するようになれば嬉しいなと思いました。個人的には、雑貨やインテリアグリーンも展開してもらえたら嬉しいですね。

※RJP:リアルジョブプロジェクト(企業連携も積極的におこないながら、授業のなかで実際に仕事をする授業)

気になる家具を使ってみることが1番の近道

メッセージを話す高山さんの写真

―最後に、インテリア業界を目指す人へのメッセージをお願いします。

高山:普段から学生には「インテリアそのものだけではなく、取り巻く要素にも目を向けることが大切。インテリアを取り巻く要素を意識すると、より魅力的で心地よい空間がつくれるはずですよ」と話しています。普段から身の回りにあるものなので、気になる家具があればサイズを測ってみてほしいとも伝えています。インテリアは、日常生活のなかに勉強する機会が沢山あるのです。

インテリアをこれから勉強しようとしている人たちも、ウィンドウショッピングで済ませず、自分が好きだと思った家具は実際に買って、使ってみてほしいですね。実際に使うことこそが1番の勉強の近道だと思います。

―素敵なメッセージをありがとうございます。本日はお時間をいただき、ありがとうございました。

専門学校東京テクニカルカレッジ インテリア科 科長 高山寿一郎】
インテリアコーディネーター・リフォームスタイリスト一級
1999年 東京工科専門学校(※) 建築工学科 卒業
1999年~2001年 設計事務所勤務
2001年 東京工科専門学校 建築科 ティーチングアシスタント
2003年 東京工科専門学校 建築科 助手
2006年 東京工科専門学校 インテリア科 教員
2010年 専門学校東京テクニカルカレッジ インテリア科 教員
2015年 専門学校東京テクニカルカレッジ インテリア科 科長就任
インテリアコーディネーター資格対策、建築設計製図Ⅰ~Ⅷ、建築計画、建築施工、建築構造、構造力学、測量実習などの授業を担当。
※:2010年姉妹校の専門学校東京テクニカルカレッジ(国立)と東京工科専門学校(東中野)が統合され、現在の専門学校東京テクニカルカレッジ(東中野)となる。